優先順位を決定するためのフレームワーク7選 | 状況に合わせて最適なツールを選ぶための完全比較まとめ
- アイゼンハワー・マトリックス
- MoSCoW法
- RICE スコアリング
- WSJF (Weighted Shortest Job First)
- 狩野モデル (Kano Model)
- ICE スコアリング
- ペイオフ・マトリックス
- 優先順位決定フレームワーク 全比較まとめ
- フレームワーク選びのクイックガイド
アイゼンハワー・マトリックス
💡 一般業務系の王道
元アメリカ大統領アイゼンハワーが用いていたとされる、最も有名な時間管理のフレームワークです。
軸
緊急度と重要度の2軸で4つの領域に分けます。
4つの分類
| 第1象限 緊急かつ重要 ★★★ すぐにやる (例) 締め切り間近の仕事、トラブル対応 | 第2象限 緊急ではないが重要 ★★★+ 計画を立てて時間を確保 (例) 自己研鑽、人間関係の構築、健康管理 |
| 第3象限 緊急だが重要ではない ★☆☆ 他人に任せる (例) 重要でない会議、多くの通知、急な来客 | 第4象限 緊急でも重要でもない ☆☆☆ やめる、捨てる (例) ダラダラと見るSNS、暇つぶし |
MoSCoW法
💡 開発ロードマップの基本
主にソフトウェア開発やプロジェクトの要件定義で、リリースの範囲(スコープ)を決める際に使われます。
名前の由来
優先度の高い順に頭文字をとっています。( o は読みやすくするためのもの)
Must have
必須
これがないとリリースできない、プロジェクトが失敗する。
Should have
推奨
重要だが、最悪なくても運用は回る。
Could have
余裕があれば
あれば嬉しいが、なくても影響は少ない。
Won’t have this time
今回は見送り
将来的にやるかもしれないが、今はやらないと明確に定義する。
RICE スコアリング
💡 施策評価の代表格
Intercom社が開発した、客観的な数値で優先順位を算出する手法です。主観を排除してプロダクトのロードマップを組む際に強力です。
4つの指標
Reach(到達数)
一定期間内に何人のユーザーに影響するか。
Impact(影響度)
個々のユーザーにどれだけ大きな価値を与えるか(3.0=絶大、1.0=中、0.25=低 などでスコア化)。
Confidence(確信度)
その見積もりがどれだけ正しいか(100%=高、80%=中、50%=低)。
Effort(工数)
完了までにどれくらいの時間がかかるか(人月など)。
計算式

ポイント
数値化することで、声の大きい人の意見ではなく、最も効率的に価値を生む施策が浮き彫りになります。
WSJF (Weighted Shortest Job First)
💡 大規模組織の優先度決定に強い
主にアジャイル開発で使われる手法で、放置することによる損失(Cost of Delay)を重視します。
考え方
単に価値が高いものを選ぶのではなく、早く終わらせることで得られる利益と遅れることによるダメージを考慮します。
計算式

メリット
価値が高く、かつ短期間で終わるタスクが最優先されるため、ROI(投資対効果)を最大化できます。
狩野モデル (Kano Model)
💡 価値分類の王道
顧客満足度に焦点を当てたフレームワークで、機能を当たり前か魅力的かで分類します。
分類のカテゴリー
当たり前品質
あっても満足度は上がらないが、ないと不満が出る。
(例) スマホの通話機能
一元的品質
あれはあればあるほど満足度が上がる。
(例) バッテリーの持ち
魅力的品質
なくても困らないが、あると感動する。
(例) 革新的な新機能
メリット
ユーザーが本当に喜ぶのはどこか?を視覚化できます。
ICE スコアリング
💡 軽量な施策スクリーニング
RICEの簡略版で、特にスタートアップのマーケティング施策や実験の優先順位付けによく使われます。
3つの指標
Impact(影響度)
その施策がどれだけ目標に貢献するか。
Confidence(確信度)
予想通りの結果が出る自信はどれくらいあるか。
Ease(容易性)
どれだけ簡単に実行できるか。
計算式

メリット
Reach(到達数)の算出が難しい場合に、RICEよりスピーディーに判断を下せます。
ペイオフ・マトリックス
💡 コンサル・業務改善で定番
アイゼンハワー・マトリックスに似ていますが、軸を価値(Value)と工数(Effort)に置き換えたものです。
| 工数 低 | 工数 高 | |
| 価値 高 | Quick Wins 即実行 | Major Projects 計画的に |
| 価値 低 | Fill-ins 隙間時間に | Thankless Tasks 捨てる |
優先順位決定フレームワーク 全比較まとめ
| フレームワーク | 主な対象 | 決定の軸 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| アイゼンハワー | 個人・日常タスク | 緊急度 × 重要度 | 日々のタスクが多すぎて、何から手をつけるべきか混乱しているとき |
| MoSCoW | プロジェクト・要件 | 必須 / 推奨 / 可能 / 見送り | リリースの期限が決まっていて、機能の切り捨てが必要なとき |
| RICE | プロダクト開発 | 到達数 × 影響 × 確信 ÷ 工数 | 複数の施策候補があり、客観的な数値(ROI)で順位をつけたいとき |
| WSJF | アジャイル・経営 | 遅延コスト ÷ 仕事の規模 | 早くやらないと損をする仕事を見極め、全体の利益を最大化したいとき |
| 狩野モデル | 企画・顧客満足 | 当たり前 / 一元的 / 魅力的 | ユーザーが本当に求めている価値を分析し、差別化を図りたいとき |
| ICE | 施策・実験 | 影響 × 確信 × 容易性 | スピード重視の環境で、手軽に施策の優先度をランク付けしたいとき |
| ペイオフ | チーム・業務改善 | 価値(効果) × 負担(工数) | 少ない労力で大きな成果が出るクイックウィン(即効策)を探すとき |
フレームワーク選びのクイックガイド
用途に合わせて、まずは以下の3つの視点から選んでみてください。
自分自身の時間を守りたい
✅ アイゼンハワー・マトリックス
特に第2象限(重要だが緊急でない)を死守しましょう。
限られた時間で製品をリリースしたい
✅ MoSCoW法
✅ ペイオフ・マトリックス
MoSCoW法で絶対必要なものを固めるか、ペイオフ・マトリックスでコスパの良いものを選びます。
チーム全員が納得する論理的な根拠がほしい
✅ RICEスコア
✅ WSJF
RICEスコア(ユーザー数重視)やWSJF(経済的損失重視)を使って数値化します。







