個人開発者が実際に収益を得ている具体的な例とその戦略

個人開発におけるAIエージェントの収益化は、以前のようなチャットUIを提供するだけのツールから、特定の業務プロセスを完結させるものへとトレンドが移っています。

個人開発者が実際に収益を得ている具体的な例と、その戦略を整理しました。

個人開発で人気のAIエージェント事例

個人開発者が1人〜少人数で構築し、月商数十万〜数百万円規模に達しているモデルは主に以下の3つのパターンに分類されます。

① 垂直立ち上げ型 | 特定業務特化エージェント

汎用的なAIではなく、「不動産」「採用」「SNS運用」など、特定のニッチな業務を代行するエージェントです。

不動産物件情報の自動収集・分析エージェント

複数のポータルサイトから条件に合う物件を自動で探し出して、収益シミュレーションまで行ってスプレッドシートにまとめます。

毎日手動で行っていた検索・計算という単純作業をエージェントが完全に代替するので、B2Bでの導入ハードルが低いです。

収益モデル

月額サブスクリプション(SaaS型)

SNS運用自動化エージェント

トレンドを監視し、過去のバズった投稿スタイルを学習して、下書き作成からリプライ返信までを自律的に行います。

② ツール接続型 | 既存プラットフォームの自動化

特定のツール(Slack, Discord, Notion, GitHub)の中に常駐して、ワークフローを改善するタイプです。

AIカスタマーサポート・エージェント

過去のドキュメントやFAQを読み込み、ユーザーの質問に自動回答。解決できない場合のみ人にパスします。

収益モデル

解決したチケット数に応じた従量課金、または月額固定

AIコーディング・レビュアー

GitHubのプルリクエストを監視し、バグの検知やリファクタリング案を自動でコメントします。

③ インフラ・マーケットプレイス型

エージェントを作るための部品やプラットフォームを提供する側です。

(例) PromptBase

高精度な挙動をするエージェント用プロンプトの売買。

プラットフォーム全体で月間収益数千万円規模で、個人出品者でも月数万円〜の収益が見込めます。

実際に収益を得るための3つの収益モデル

個人開発者が採用している主なマネタイズ手法です。

モデル内容メリット
SaaS・サブスク月額 $20〜$100 程度で提供ストック型の継続的な収入になる
成果報酬型1リード獲得につき〇円
コスト削減額の20%
顧客の導入心理障壁が非常に低い
API従量課金実行回数やトークン量に応じて課金開発者側のコストを確実に回収できる

個人開発者が勝つための戦略

大手企業が汎用AIを強化する中で、個人が収益化するための鍵はラストワンマイルにあります。

動くことにフォーカス

ただ回答を生成するだけでなく、メールを送る、ファイルを更新する、広告を入稿するといった、外部ツールへの実行を組み込むことが収益化の近道です。

クローズドなデータへの接続

ネット上の公開情報だけでなく、ユーザーが持つ特定のPDFや社内Wikiを読み込ませて動くエージェントは代替が難しく、高い月額料金を取りやすい傾向にあります。

ブラウザ操作型

APIがない古いWebサイトを操作してデータを集めたり、入力を代行したりするエージェントは、現在非常に需要が高まっています。

個人起業家にとってラストワンマイルが重要な理由

AIの世界におけるラストワンマイルとは、AIが導き出した答えを実際の業務完了まで繋ぎ込む最後の工程のことを指します。

物流業界で配送センターから顧客の玄関までをラストワンマイルと呼ぶのと同じで、代わりにやってあげる・完結させる部分に、個人開発者が稼げる大きなチャンスがあります。

知っているとできているの差を埋める

AIはメール文面を作ってくれます。ですが、文面を作るだけじゃなく宛先を選んで、CRMに履歴を残して、実際に送信ボタンまで押してほしいというニーズもあります。

この、AIが考えた後のクリック、コピペ、ツール間の移動など人が行う作業を自動化する部分がラストワンマイルです。ここを埋めるエージェントは、ユーザーの時間を直接買い取ることになるので、高い対価が得られます。

汎用モデルとの差別化

大手のAIが提供するのは、あくまで高性能なLLMです。彼らは個別の企業の細かいワークフローまでは対応してくれません。

個人開発のAIエージェントは、特定のニッチな環境に深く入り込むことで、大手が参入しづらい領域で独占的に収益を上げられます。

ツール接続によるスイッチングコストの発生

チャットボットはより賢いAIが出ればすぐに乗り換えられます。ですが、ラストワンマイルを担うエージェントは、Notion、Slack、LINE、銀行口座などユーザーの既存ツールと密接に連携しています。

一度ワークフローに組み込まれると、これがないと仕事が回らないという依存状態になりやすいです。そのため、サブスクリプションの解約率が下がります。

ラストワンマイルを埋めるエージェントの具体的な例

段階汎用AIエージェント
SNS運用バズる投稿内容を提案する投稿し、リプライに返信し、数値をスプレッドシートに集計する
採用業務スカウトメールの文面を作成条件に合う人をLinkedInで探し、メールを送り、返信をカレンダーに登録する
経理業務領収書の金額を読み取る会計ソフトにログインし、仕訳を行い、帳簿を更新する

AIを使って、人間が面倒だと感じている最後の作業を終わらせてあげるという視点が、収益化におけるラストワンマイルの正体です。

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